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養育費の調停を有利に進めるために知っておくべき6つのこと

養育費
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・離婚後、毎月定額の養育費を元パートナーに支払っているが、収入が下がったり、元パートナーが再婚したために、養育費の減額を請求したい。

 

・離婚に際して離婚をするかしないかの話に集中してしまい、養育費について取り決めをしていなかった。でも元パートナーに養育費の支払いを求めたい。

 

このような場合に、元パートナーが話し合いで支払うことや減額に応じてくれればよいですが、話し合いでは応じてくれないこともあるでしょう。

 

そのような場合に利用できる制度として、養育費請求調停というものがあります。 以下では、養育費請求調停の内容と、有利に進めるための方法について書いていきます。

1、養育費について

(1)養育費請求調停とは?

そもそも養育費請求調停とは、家庭裁判所で調停委員の立会のもと、実際の養育にどのくらい費用がかかっているのか、申立人及び相手方の収入がどのくらいあるかなど一切の事情について、当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料等を提出してもらうなどして事情をよく把握して、解決案を提示したり、解決のために必要な助言をし、合意を目指し話し合いを進めていく制度です。

 

(2)どのような場合に養育費請求調停が行われる?

 

養育費請求調停は、以下のタイミングで夫婦(もしくは元夫婦)の話し合いで養育費の金額、支払い頻度などについて話し合いがまとまらない場合に行われます。

 

1.離婚後のタイミングで、養育費の支払いについて話がまとまらない場合

2.離婚後のタイミングで、養育費の支払いについて相手と話し合いができない    場合

3.養育費を支払う側の収入が減ったなどの事情により、支払う側が既に支払っている養育費の金額を減らして欲しい場合

4.養育費を支払う側の収入が増えたなどの事情により、受け取る側が既に支払っている養育費の金額を増やして欲しい場合

5.話し合いで決めた養育費の滞納が続く場合

 

(3)養育費請求調停で決定される内容は?

 

養育費請求調停では、話し合いの上、以下の内容が決定されます。

 

1.そもそも養育費を支払うか

2.養育費を支払うことを前提に、金額をいくらとするか

3.養育費の支払い方法(短期間でまとめて支払うか、毎月定期的に長期で支払っていくか)

4.養育費を子どもが何歳になるまで支払い続けるか

 

(4)養育費はどのような事情を考慮して決定される?

 

養育費は、以下のような事情を踏まえて決定されます。

 

1.申立人の年収 →年収が高ければ高いほど、もらえる養育費の金額は高くなる傾向があります。

2.申立人の元パートナーの年収 →年収が低ければ低いほど、もらえる養育費の金額は高くなる傾向があります。

3.子供の年齢 →子どもが0~14歳の場合より、15~19歳の場合の方がもらえる養育費の金額は高くなる傾向があります。

4.子どもの人数 →子どもの数が多いほど、請求できる養育費の金額は高くなります。(一人当たりに換算すれば少なくなる。)

 

2、養育費請求調停申し立てに必要な書類

養育費請求調停の申し立てに必要な書類は以下の通りです。

(1)養育費請求調停申立書及びその写し1通

 

申立人や相手方、および子どもについて記載します。

申し立てにより養育費をいくら請求したいか、申し立てに至った理由などを記載します。

 

法律の定めにより元パートナーにも郵送されることになります。

したがって、裁判所提出分のほかに、元パートナー用のコピー1通が必要となります。

 

申立書の取得方法としては、裁判所の窓口で3枚複写の申立用紙をもらうことができます。

また、裁判所のHPでダウンロードすることも可能です。

 

(2)子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)

 

(3)申立人の戸籍謄本

 

(4)元パートナーの戸籍謄本

 

(5)申立人の収入に関する資料

 

申立人がどのくらいの収入があるかを主張づける根拠として提出する書類です。

具体的には、源泉徴収票写し、給与明細写し、確定申告書写し、非課税証明書写しなどが挙げられます。

 

(6)事情説明書

 

養育費の支払いに関する状況を記載します。

具体的には、相手の支払いの意向や、申立人と元パートナーの生活の現況を説明することになります。

 

(7)連絡先等の届出書

 

申立人の住所や電話番号などの連絡先を記載します。

 

(8)進行に関する照会回答書

これは、家庭裁判所が養育費請求調停を進めるにあたり参考にするために申立人が作成するものです。

「相手方は裁判所の呼び出しに応じてくれると思いますか?」などの質問に回答していくこととなります。

 

(9)その他

 

上記の他に、進行に応じて、審理のために必要な場合は、追加書類の提出が求められる場合があります。

具体的には、申立人の元パートナーの年収を証明する書類などです。

 

3、申立てに必要な費用

自分で養育費請求調停を申し立てる場合、以下の通りおおよそ2000円ほどかかります。

 

(1)収入印紙 1200円分(子ども1人につき)

 

調停を理由する手数料の意味合いで、子ども一人につき1200円分の収入印紙が必要となります。

 

(2)郵便切手 800円前後

 

連絡用の郵便切手が必要となります。金額は各家庭裁判所により異なりますが、おおよそ800円前後です。

 

4、養育費請求調停の流れ

(1)家庭裁判所へ調停の申立て

 

相手方の住所地の家庭裁判所または当事者が合意して決めた家庭裁判所に、養育費請求調停の申立書を提出します。

 

(2)調停期日の決定

 

家庭裁判所が、調停の期日を決定します。申立人と元パートナーそれぞれに調停期日呼出状が届きます。

 

(3)第一回の調停

 

裁判官1名と調停委員2名(多くの場合、男女1名ずつです)が、申立人と元パートナーそれぞれの話を聞いて仲裁します。

裁判官は、調停終了時の当事者双方の意思確認のみに同席し、その後は、調停委員のみで調停を進めていくことがほとんどです。

 

(4)第二回以降の調停

 

二回目以降の調停は、月1回くらいのペースで開かれます。

何回調停が行われるかは事案によります。

 

(5)調停の終了

 

以下の3つの場合に調停が終了します。

 

①成立

調停での話し合いを経た上で、夫婦(または元夫婦)双方が養育費の支払い内容について合意した場合、調停成立として終了します。

 

②不成立

 

養育費請求調停での話し合いでは解決しそうになく、両者の合意が困難であると判断した場合、調停不成立として終了します。

③取り下げ

 

養育費請求調停を申し立てた側が取下書を家庭裁判所へ提出した場合、調停が終了します。この時、相手方の同意は不要です。

 

5、養育費請求調停が不成立となった場合には?

養育費請求調停が不成立となった場合には、自動的に審判手続が開始されます。

審判は、裁判官が一切の事情を考慮して判断します。

審判が下されると、審判書というものが作成されます。これがあれば、判決や調停調書や公正証書と同じで強制執行(差し押さえ)が可能となります。

 

6、調停を有利に進めるためには?

 

離婚養育費請求調停で望ましい結果を獲得するためのポイントを以下、記載します。

 

(1)キーマンは調停委員?

 

調停委員は、調停を仲裁する役割を担っていることから、調停でこちらの主張を通すには、調停委員を味方につけることが重要です。

具体的には、(言い方が悪いかもしれませんが)調停委員に「同情」してもらうことも重要なポイントとなってくるでしょう。

そのために、調停委員に好印象を与えることが重要です。

 

(2)弁護士に依頼するべきか?

離婚調停というのは、話し合いの手続きですから、弁護士をつけている場合でも基本的には本人が出席した方が望ましいです。

結局本人が出席しなければならないとすれば、わざわざ高い弁護士費用を支払ってまで弁護士をつけることはあまり意味のないように思えます。

 

しかし、弁護士には、調停についての経験がありますし、法律のプロであるため、調停を進めるために有益なアドバイスを受けることができます。特に、調停が不調になった場合、自動的に審判に移行しますが、そこで裁判官が参考にするのは調停での経緯や提出された資料です。話し合いの手続きではありますが、裁判と同じように万全の態勢で臨むべきだといえます。

また、弁護士をつけていることで、調停委員に「この人は養育費の金額変更に本気なんだ」という点で好印象を与えることもできるでしょう。

 

(3)証拠があれば、きちんと出しておく

 

養育費請求調停において、自分の主張を根拠づける証拠があるのであれば、きちんと出しておくべきでしょう。

例えば、収入減により、養育費の減額を主張したい場合は、「給与明細」や「源泉徴収」などです。

 

まとめ

以上が養育費請求調停の流れとなります。養育費は子どもを育てるための重要なお金です。養育費請求調停を通じて、納得いく形で金額を決めれるようにしましょう。

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